春のことわざ春夏秋冬・ことわざと食育

おばんでやす!ラグーハウスのまーみーです。
もうすぐ桜のシーズンを迎える頃ですね!桜といえば、お花見!
暖かく陽気の良い日にぶらぶら散歩。途中、図書館に立ち寄り春に関する本を探してみました。すると「食のことわざ春夏秋冬」に目がとまり、「食とことわざ?これは面白そう!」と、この本を借りてきました。自宅に帰ってさっそく本を開いてみると、春、夏、秋、冬、それぞれの季節の食材を中心に、その国や土地に馴染んだ食べ物が、ことわざの中に登場し、古くからいい伝えられてきた言葉に込められたことわざと食の説明が書かれていました。これは面白い!聞き覚えのあることわざから、「こんなことわざもあるんだ~」などなど・・・私たちに欠かせない食と言葉がどう繋がっているのか、この本の内容を抜粋して、今回は「春」の一部をまとめてみました。

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目次

「春の料理には苦みを盛れ」

フキノトウ

このことわざは、野草の利用を勧めた言葉です。野草には苦いものが多いので、その苦い味を積極的に料理に取り入れることによって、栄養豊かな食べ方をしようと教えています。苦みは本来、人間にとって好ましくない味ですが、逆にごくわずかの苦みは、味のアクセントとして美味しさをつくる要素となっています。春の料理には、苦み成分が含まれているフキノトウが代表的ともいえるでしょう。たくさん食べるものではないけれど、フキノトウの天ぷらは、春の到来を告げてくれる食材です。

食のミニ辞典

フキ(蕗)・フキノトウ

(英)butterbur

(学)Petasites japonicus Fr. Schmidt

キク科の多年草で、数少ない日本原産の野菜。野生のものが利用されるほか、栽培されているものが出回っています。フキノトウはフキの若芽で、春先に市場に出ます。栽培種のフキの品種で多いのが愛知早生(あいちわせ)で、市販品の対外を占めています。愛知県は江戸時代からフキの栽培が盛んだったところでした。当時の物は晩生でしたが、のちに早生(わせ)の品種ができて、これが主流となりました。その他、大阪の水ブキ、秋田の秋田大ブキがあります。煮つけとするほか、佃煮や砂糖漬けなどの加工品もつくられます。食用とされるのは葉柄の部分で、特に栄養価の高いものではありませんが、フキノトウにはカロテン、ビタミンAが豊富に含まれています。ただ食べる量がわずかなので、やはり風味を味わう食べ物ということでしょう。

ヨモギ

食のミニ辞典

ヨモギ(蓬)

(英)mugwort

(学)Artemisia princeps Pampanini

キク科の多年草。モチグサ、ヨモギナとも言います。種類が多く、シロヨモギ、カワラヨモギ、カワラニンジン、ヒメヨモギなど。代表的な野草ですが、食品成分表にも野菜の一つとして記載されています同じく野草のヨメナとともに、カロテン含量が多く、100g中5300㎍,ビタミンⅭも35㎎と、ホウレンソウ並みです。若葉を摘んで茹でてつぶし、餅に搗き(つき)込んだものが草餅で、緑色の鮮やかさが春の彩として親しまれてきました。米飯に炊き込むとよもぎ飯ができます。秋に伸び切ったヨモギの葉を乾かしたものがもぐさ(艾)で、これに火をつけて灸として病気の治療に用います。草餅と艾の両方に役立つヨモギ、もとは同じという事で、こんな江戸時代の川柳があります。「兄弟は他人のはじめ (もち)(もぐさ)

昔の人は、春になると摘草を楽しんでいたようです。(とう)(せい)とも言われ、若草の緑が萌え出すこの季節、摘草を含めた春の野遊びは俳句の季語では“青き踏む” という言葉にもあります。

春の野に出てツクシ、ヨモギ、ヨメナ、セリ、ナズナ、ノビルなどの食用となる野草を摘んで、ビタミンC ビタミンA(βカロテン) ビタミンE ビタミンB1 葉酸 が含まれているその利用は、冬場の青野菜が不足する時期を過ごした後のビタミン類を補給するという効果もあったのでしょう。昔の人の知恵が、このことわざから伺えます。

「鯛」

「鯛もひとりは旨からず」

個食が問題とされる時代、ひとり暮らし、子どもが一人で食べる食事が多くなってきました。 魚の王といわれるほどうまい鯛でも、ひとりで食べたのではおいしくない。食事は一人よりも大勢で食べるほうが美味しいものだという事

「腐っても鯛」

たとえ腐ったとしても、鯛は魚の王であるという意。もとがよいもの、優秀なものは、傷んで落ちぶれても、それだけの価値はあるという事。

用途:かつて優れた技術や実力を持っていた人物が、年老いてからもその能力を見せたときに使う場合が多い。

英語:A good horse becomes never a jade.(名馬は決して駄馬にはならない)

「鯛なくば狗母魚(えそ)

狗母魚(えそ)」は、上質なかまぼこの原料となる魚で、最高級の鯛よりは劣る。目当てのもの、高級なものがなければ、代用品で間に合わせるしかないというたとえ。

食のミニ辞典

タイ(鯛)

(英)sea bream

(学)Pagrus major

スズキ目タイ科の魚で、日本にはタイと名のつくものは200種とも及ぶといわれますが、タイ科に属する本来の鯛は10種余りと限られています。タイの代表とされるのがマダイ(ホンダイ、オオダイ)です。マダイのほかには、キダイ、クロダイ、チダイ、ヘダイなどいろいろあります。冬から春に味が一段とよくなるとされ、俳句では“鯛”は春の季語とされています。最近では天然ものは減少して、養殖物が市場の大部分を占めています。タイの養殖はハマチに次いで生産量で2番目で、普段お目にかかるのは、すべて養殖ものです。祝の膳には塩焼の尾頭付き。その他、刺身、なます、ちり鍋、煮物と用途も広く、さらに鯛みそ、でんぷなどの加工品としても利用されています。

「お花見」

お花見は平安貴族たちからの行事ですが、梅、桃、桜と庶民の間にも広まりました。落語の「長屋の花見」では、家賃も滞りがちな長屋の住人たちが、番茶を酒に、目刺(めざし)を尾頭付きの魚に、大根をかまぼこに、たくあんを卵焼きに見立てて花見に出かける話が出てきます。花だけがあっても、それだけでは物足りない、実質的な腹の足しになるものが大切、というときに使われる言葉が「花より団子」です。

「花より団子」

美しい花を見るより、団子を食べるほうがよいという事。風流より実益、名や外見よりも内容を選ぶことのたとえ。また、風流がわからず無粋(ぶすい)なことのたとえ。

(英)         Bread is better than the songs of birds.(小鳥の歌よりパンがいい)

食のミニ辞典

団子

(英)dumpling

団子の“団”は本来は(だん)の字で、口(くちがまえ)の中の下の部分を書いて、団の字ができました。団は「摶」(丸めるの意)と同じで、丸いものをいいます。中国語では「丸子」(ワイズ)と、文字通り丸いという字を書きます。面白いことに、英語でも、肉団子のようなものはdumplingで、ダンという発音は共通しています。団子の語源は、五穀や蜜、薬草などを練り合わせたものを団喜(だんき)と呼ぶことから来たとされています。要するに丸いものというのは、作りやすいし、安定した形状のために、食べ物の形として親しまれていたのでしょう。団子は米粉をはじめ穀類の粉に水を加えてこねて、蒸したりゆでたりしたもので、あんや、きな粉、しょうゆをつけるなど、多くのバリエーションがあります。

「花見過ぎたら牡蠣食うな」

お花見が過ぎたころのことわざもありました。

西洋では英語の月名でRのつかない月は牡蠣を食べないほうがよいと言われてきました。現在のような冷蔵技術が発達していない時代、5月から8月は気温の高い時期です。日本でも5月あたりは気温も上がり、水分の多い生ものは傷みやすくなります。この季節、食中毒を起こさないようにとの注意をいった言葉です。

食のミニ辞典

カキ(牡蠣)

(英)oyster

(学)Crassotreagigas(マガキ)

イタボガキ科の二枚貝。日本でふつう食用とされるのはマガキですが、アメリカガキ、イタボガキなど、たくさんの種類があります。日本でも10種類以上が食用とされていますが、主流は養殖もの。広島湾、松島湾、志摩半島、能登などが産地として知られています。カキの養殖は、古くはローマ時代に行われたといわれ、中国でも福建省、広東省などで宋の時代に竹を使った養殖法がありました。カキは雌雄同体ですが、マガキなど卵生の種類では雌雄ははっきりしていて、雄のつぎに雌になり、また次の時期に雄になる、といった雌雄交代をします。ある時期に調べたら雄ばかりだったという事で、“牡蠣”の字が当てられました。グリコーゲンを多く含み、ビタミンではB12が豊富。カキは海のミルクともいわれています。

「春」を明鏡国語辞書で引くと、“四季の一つ。冬と夏の間の季節で、陽暦では3月から5月まで、陰暦では1月から3月まで。次第に夜が短く、昼が長くなるとともに、暖かくなって草木が繁り始める。暦の上では立春から立夏の前日まで、天文学では春分から夏至までをいう。活気があって、勢いの盛んな時期。”とありました。春は暖かく、活動が活発になる季節です。さぁ皆さんも外に出て活動しましょう!散歩やハイキング、バードウォッチングで道端の野草や野の花、木々の花をみたり香りを感じたり、旬の食材を堪能したりと自然に感謝し、ことわざからも春を楽しみましょう!

【参考文献】
『食のことわざ春夏秋冬 語り継がれる「食育」の宝庫』著 沢野 勉  発行所:全国学校給食協会
『ことわざ新辞典』 日向一雅・監修)
『食品成分表2010』教育図書

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